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「無防備都市宣言」に思う
【2008/08/03 】   冥王星      トラックバック(0)   コメント(0)
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記事内のユーザータグ    安全保障       国際政治   

「無防備都市宣言」というものがあります。
 冥王星は基本的には「武装平和主義」を掲げるスタンスであり、非武装中立を肯定しえないスタンスであり、この「無防備都市宣言」は理解に苦しむ。
 無防備、非武装中立の概念的なオリジンであるジュネーブ条約の該当条文は
<第五十九条 無防備地区>
 1 紛争当事者が無防備地区を攻撃することは、手段のいかんを問わず、禁止する。
 2 紛争当事者の適当な当局は、軍隊が接触している地帯の付近又はその中にある居住地区であって敵対する紛争当事者による占領に対して開放されるものを、無防備地区として宣言することができる。無防備地区は、次のすべての条件を満たしたものとする。
(a)すべての戦闘員が撤退しており並びにすべての移動可能な兵器及び軍用設備が撤去されていること。
(b)固定された軍事施設の敵対的な使用が行われないこと。
(c)当局又は住民により敵対行為が行われないこと。
(d)軍事行動を支援する活動が行われないこと。
 3 諸条約及びこの議定書によって特別に保護される者並びに法及び秩序の維持のみを目的として保持される警察が無防備地区に存在することは、2に定める条件に反するものではない。

まずはここまで、1、において無防備地域への攻撃の禁止、2において、無防備地域の構成要件を、3では、無防備地域内での自警の権利を認め、地域内での警察行政が保障されることを謳っています。
ここまでは大きな問題はありません。
 
 
4 2の規定に基づく宣言は、敵対する紛争当事者に対して行われ、できる限り正確に無防備地区の境界を定め及び記述したものとする。その宣言が向けられた紛争当事者は、その受領を確認し、2に定める条件が実際に満たされている限り、当該地区を無防備地区として取り扱う。条件が実際に満たされていない場合には、その旨を直ちに、宣言を行った紛争当事者に通報する。2に定める条件が満たされていない場合にも、当該地区は、この議定書の他の規定及び武力紛争の際に適用される他の国際法の諸規則に基づく保護を引き続き受ける。
 
 この文章の持つ意味が重要になります。
 実は今、日本各地で宣言されている「無防備都市宣言」は、法的には構成要件をみたしていないのです。
 ポイントは「敵対する紛争当事者に対して行われ」という箇所です。
今存在する宣言は平時においての宣言であり、まだ紛争当事者への通告が行われていないわけです。今、戦時でもないわけで、平時における宣言では、無防備地域の宣言は法的には成立しないわけです。
 本当に無防備地域となるためには戦時における宣言が必要であるということをまず抑えてください。
5 紛争当事者は、2に定める条件を満たしていない地区であっても、当該地区を無防備地区とすることについて合意することができる。その合意は、できる限り正確に無防備地区の境界を定め及び記述したものとすべきであり、また、必要な場合には監視の方法を定めたものとすることができる。
 6 5に規定する合意によって規律される地区を支配する紛争当事者は、できる限り、他の紛争当事者と合意する標章によって当該地区を表示するものとし、この標章は、明瞭に見ることができる場所、特に当該地区の外縁及び境界並びに幹線道路に表示する。
 7 2に定める条件又は5に規定する合意に定める条件を満たさなくなった地区は、無防備地区としての地位を失う。そのような場合にも、当該地区は、この議定書の他の規定及び武力紛争の際に適用される他の国際法の諸規則に基づく保護を引き続き受ける

 5は、紛争当事国が設定する無防備地域であり、6はその場合の地域の明示方法について言及し、7では、無防備地域が解除されても戦時国際法に順ずる扱いであることを述べている。(5,6,7は紛争国の権利であり、住民からの政治行為ではない)

これが無防備地域に関する基礎的な法的な枠組みです。
しかし、この地域運動の条例化には国内法的なハードルがあると言えます。
まず、:地方自治法1条において国防の管轄権は地方に存在しないこと、同時に、兵権がないため、2の無防備地域の構成要件を自治体の責任で満たすことはできないこと、武力事態法3、5条によって国との国防事由の協力が明記されていることから、条例そのものが国内法違反になり、条例として成立しえないということが考えられます。他に刑法における内乱罪77条、外患誘致罪82条、外患援助罪83条も該当するもので条例として成立しても、国内法で取り締まることも可能になる。つまり、無防備都市宣言条例そのものが条例として成立しないということです。繰り返しますが、条例として成立できない、宣言として成立していない、という二重の意味で成立しえていないわけです。無防備に対するその気概は否定しえないのですが、法治国家としての地方としては成立しえないことは問題です。もちろん、地方自治の自由の問題を緩和したとしても、平時に宣言することには意味もないわけです。
 さて、次の段階です。実例を踏まえてお話します。
 第一の問題として、戦時国際法は遵守される保障が極めて低いことが例示できる。イラク戦争の時でも、明らかに交戦意思のない兵員に武力が行使された事例もありますし、アルグレイブ刑務所での捕虜の取り扱いも明らかに違法だと言えます。そもそも、国内法が一般の法理と違い遵守される土壌が浅く、戦時国際法になるともっとその精度は落ちるというのは、有事としての事実ではないでしょうか?
 同時に、条約としてのジュネーブ条約はあくまでも国家が基盤であるわけで、テロ組織などはこの条約の限りではないと言える、つまり、テロ組織は国際法を守る法理ではない上に、ジュネーブ条約で制限される対象ではないのである。こうして、無防備地域は侵されるというのが推測が可能なのであるが、実例になると、成功例が極めて少ない。
大東亜戦争時代の前島、WWⅡにおけるナチのパリの事例が有名であるが、無防備宣言に関わらず戦火に至ることは推測できない事例で、それ以外は、宣言そのものが守られた事例が極端に少ないと言える。正式な数字は戦時のもので判明しないが、多くの宣言は無視されるしかなかった。
現実的に無防備地域が守られないでは、絵に描いた餅であることは言うまでもない。国際情勢が国際法遵守になれば、それで解決するわけだが、世界はそこまで理性的ではないことも残念ながら想起するしかない。

ただ、一概にこの「無防備地域」を否定する必要はないと思われる。条件を満たせば、宣言は有功であるし、国際法遵守の気風が戦時でも生まれるようになれば、この条文は否定するものではないし、正しく法理に基づけばそれは否定しえないわけである。問題は成熟しない国際社会と地方自治の裁量権の問題なのかもしれない。将来に期待することもナンセンスではないと思う。
ただ、簡単なことながら、特定の地域が無防備地域になるとその領域内での軍事行動が全て行えなくなるわけである。地理的な要所が無防備地域になると行軍ができなくなる、これはつまり無防備地域の権利のために、自衛行動の自由が制約されることになるのである。国内一致して国防に力を注いでる一方で戦時に無防備地域化した地域のために、潤滑な軍事行動ができなくなることの危機感を考えると、やはり考えるべきものがある。
 可能であるならば、無防備地域宣言を想定した住民だけの地理的に国防に影響の少ない地域への移住をしてくれればいいんだが、そこまでは期待するのは酷なのかもしれない。
 私は、武装非同盟や武装中立の姿にリアルな平和主義を見るわけで、力なき平和を信じられない、わけで、そこで思考停止なのかもしれない。
 ただ、ここで私はこの宣言に関わった人に言えることとして、平時における危機意識があるからこそ、このような運動になったことを評価したいと思う。ただ、その方向性の差異でしかないわけで、相互理解の上で宣言を撤回してほしい。
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