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テーブルマナーとマナーの心
【2008/10/15 】   モダンタイムス      トラックバック(0)   コメント(0)
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 先日フランスのアビニョンのフレンチレストランで会食した席のお話です。
高級感の漂うAというお店。
敷居の高そうな豪奢な内装・壮麗・秀逸な中庭など贅沢を尽くしたレストランに
私と夫は招待客という立場もあって、狭苦しい感じを受けました。
席上は高等教育の学術研究者・現場の教育者など総勢7名ほど。
レストランは比較的大きく30席ほどのゆったりとした格調高い雰囲気が威圧感さえ放っていました。

正直、私はフランス料理がいつになっても好きになれません。
私の言う好きになれないフランス料理というのは、形式ばった宮廷フランス料理のことで、フランスの家庭料理のお話ではありませんので、誤解しないでください。

私は定年を迎えた夫を初めて海外に連れ出し、海外で初めて二人で会食という非常に経験のない状況でした。
私はまだテーブルマナーは一通りできますが、夫の方は、そういう世界は全く無関係だったこともありまして、同伴したことを多少後悔しました。
 それでも、夫婦同伴という暗黙のルールがこういう世界にはあって、初めてでも夫を同伴できることの喜びもあって、少し勇み足で夫を連れてきてしまったことを後悔しました。

同席したのは、
バリバリのフランス人(悪い意味でいえば生粋のフランス右翼)のご夫婦
現場あがりの温厚なフィンランド紳士・同じく現場あがりのベルギー人婦人。

夫は昔かたぎな人という部分もありまして、急遽テーブルマナーは教えましたが
いかんせん、にわか「テーブルマナー」
私の様子を見よう見真似で追っかけますが、職人の器用さとテーブルマナーの器用さは別物だったようで、失敗の連続。

それを見たフランス人夫婦はかなり不機嫌。
私としても夫に恥をかかせてしまったこともありますが、情けない気分になったのですが、
連れの現場あがりのフィンランドの方がフランス語で

「旦那さんが窮屈そうにご飯を食べている姿は、不愉快というよりも、勿体無い気持ちになります。
テーブルマナーでガチガチになって食事を頂くことは、マナーとしては当然という人がいますが私はそうは思いません。」

それに対してベルギーの婦人は

「ご飯は美味しく頂く礼儀があるはずです。周囲への配慮からテーブルマナーが生じたようですが、
そのテーブルマナーが”周囲にとっての不快の原因”になるなら、テーブルマナーよりも重要なマナーがあるのではないでしょうか?」

お二人の言いたいことはなんとなく想像はできます。
しかし、フランス人夫婦は、やはり「テーブルマナー」の前提について意見するような姿勢は崩していません。

私は、「テーブルマナーを尊重するべき」というマナーを否定しません。
しかし、お二人が述べたように「テーブルマナーの目的」という問題提起も重要だと思うのです。

なんなく気まずい雰囲気に対して、お二人は連続して、フランス人夫婦を焚き付けます。

「食材に対する感謝の心は、我々が食べる行為で成立するものです。
そして、ただ食べるのではなく、美味しく頂くことで感謝する心が充実するのではないでしょうか?
それは食材に対しての話でもあり、調理したコックさんたちへの感謝の意味も含まれるはずです。
硬くなって美味しい料理が美味しく頂けなる不幸は残念で仕方ありません。」

「お二人(私と夫)はゲストです。
この店は高級店で客にもそれなりの配慮を求める店ではありますが、従業員は彼(夫)の失態に目くじらを立てるようなことはしません。
その理由は、その程度のことで場の雰囲気を壊したくないという配慮でもあるでしょう。
お二人には大変不愉快とも思いますが、些細な形式的なマナーが味の本質に影響するものではないでしょう。あなた達の心の余裕の問題であり、私は、ゲストである旦那さんをもてなす意味では、テーブルマナーを重要視する時ではないと思います。」

私と夫のせいで・・・という気持ちもありましたが正直な感想を言わせてもらえば、
不調法な夫でもフランス料理を食べる資格もありますし、何より料理の素材を作る仕事をしてきた人間です。
そんな夫でしかも初心者にテーブルマナーを押し付けるようなご夫婦の姿勢を尊重する必要性はどれだけあるのか?という気持ちになりました。

フランス語の分からない夫は険悪な雰囲気を察して錚々のないように振舞うので精一杯だったのです。

険悪なムードもなんのその・・・高級店のシェフは、客席に挨拶するのが相場なのか?
我々の席上にきて、ご挨拶を

私もこういう経験がないので、黙るしかなかったのですが
シェフがうちの夫を見つけ駆け寄ってくる・・・・・・・・・

フランス語の分からない夫に通訳するのだが、どうやら夫の作ったズッキーニを長い間使っていたそうなのである。
夫は農家ではなく種の研究をしている人間なのだが、夫の作ったズッキーニが非常に世界各地の調理場で使われているらしく夫は有名だったらしい。

そんなことを知らない夫は、ただただ恐縮しているだけだったのだが、
一言だけ
「花ズッキーニを使ってもらえるとありがたい」
という意味の言葉を伝えると
ウヤウヤしくシェフは調理場に戻り、ズッキーニの花(「花ズッキーニ」というそうだ)と旬野菜の小品が出されてきた。

今度は、シェフ一人ではなく、シェフ3人とグランドシェフ(総長料理長)という面々でテーブルにきて
小品を彼らが盛り付けるという惨事?に・・・・・・・

どうやら、高級フランス料理店であろうとも、食材への感謝の心は当然らしく
夫は国賓のような扱いを受けた。

最後には、花ズッキーニの小品が全テーブルに饗応され、夫は有名人に・・・・


そこでなんとなく私はシェフとグランドシェフに
「料理する側としては、テーブルマナーをどう思うか?」
という趣旨の質問をすると

「テーブルマナーはお客さんの間で生まれた会食空間での『決まり』です。
その決まりにシェフという立場で意見することはできませんが、
そのような決まりのために、食事を楽しんでいただけなくなるなら、そんな『決まり』はいりません。
でも、この意見はシェフとしての意見ですから、お客さん同士でのマナーの問題である以上は、私達が口を挟む問題ではありません」

とのこと。
職業人としての本分を弁えている職人らしい回答。
それに対して、グランドシェフが

「この店は、私がオーナーでありグランドシェフです。その立場から言わせてもらえば、
テーブルマナーを尊重したいお客さんには、個室をお勧めするように指導してきました。
おそらくその旨も口頭でお伝えしたはずです。
会食の場として身分も差別もなく美味しく召し上がってもらうための工夫はしますが
テーブルマナーを強制するような工夫は一切したことはありません。
ここはそういうお店です。
それが尊重できない方には、当店以外の格調高い紳士・淑女たちの会食の場をご紹介しましょう」

と・・・・・・

「是非にお二人にご紹介してください」

と皮肉たっぷりのベルギー婦人

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヤバいなと思った瞬間に夫が

「不調法な男ですみません。
自分は皆さんの問題にしているマナーを損なったかもしれません
でも、私はそれ以外のことで皆さんを不愉快にしていないと思うのですが如何でしょうか?」

と・・・・・・・翻訳しておいて私もふと夫の問題提起を考え直してみれば確かに夫の言う事実関係は重要かもしれない。

夫は、テーブルマナーが出来ない。しかし、出来ないことを努力しようとした結果は残っている。
一方、口論になりかけたご夫婦とお二人は、感情的になってしまったという失点は批判の余地は大きい。
つまり、夫は過失姓の部分で他の誰よりも、情状酌量の余地があるのである。
慣れない環境で懸命に相手を不愉快にしようと心がけた夫。

テーブルマナーに固執して、本当の意味での食事のマナーを逸脱したご夫婦と現場あがりのお二人

結局は、一番夫が許容されうるマナー違反だったのである。

そして最後の皮肉をシェフの一人が・・・・・・

「テーブルマナーの由来は、一人の料理人があまりにも酷い食事風景に失望して、マナーブックを作ったことから始まります。
そのマナーブックそのものは万国共通ではない部分が多いことを当人が認めています。マナーとは”心遣い”と記述されています。
自分たちの感情を吐露されただけのみなさんと、周りを配慮して黙っている○○さんのどっちがマナーを理解しているのか?
私から結果を言う必要性がありますか?」

と・・・・・・・・・

その後、夫のおかげで一品おまけがついてきたことを喜びつつ、なんとなく全員で謝ったわけですが・・・・・・・・・・

当の夫は、「足りない」と愚痴ったことで
その後、フランス家庭料理の店で二回目の晩御飯となりました。


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