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惑星の定義③
【2008/07/28 】   冥王星      トラックバック(0)   コメント(0)
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前回のおさらい
 前回は
・「冥王星は”エジワース・カイパーべルト天体”(ECBO)という天体に該当するということと、
・昔より太陽系がずっと広いことが分かった
という話をしました。
 今回はIAU(国際天文学連合総会)で太陽系の惑星の定義が変化した過程を順々にお話したいと思います。

3:IAU(国際天文学連合総会)はどんな決定をしたの?
 今回ちょっとした騒ぎになった冥王星の惑星降格以外にも、小惑星に名称認定や画専門的学術研究の発表などの活動をしています。
しかし、今回は「惑星の定義」が話題になっています。
 結論から言えば「小惑星」という言葉が消滅して、「矮惑星」「トランスネプチュニアン天体」など聞きなれない言葉が定義され生まれました。
3-1:IAUとは
 IAUは学術機関であり、会員として、9,040人の天文学者などの個人会員と63の国家会員が所属している。
 現在の会長はロナルド・エカーズ氏。恒星、惑星、小惑星、その他の天体に対する命名権を取り扱っています。
 日本人でも古在由秀氏が会長に選ばれた経緯があります。1919年設立で当時すでに冥王星以外の惑星は発見されていて、1930年にIAUが冥王星を惑星に認定した経緯があります。

3-2:最初は「惑星12個」だった定義
 
定義A案
 惑星とは、
 (a)十分な質量を持つために自己重力が固体としての力よりも勝る結果、重力平衡(ほとんど球状)の形を持ち
 (b)恒星の周りを回る天体で、恒星でも、また衛星でもないものとする
これが最初のIAUの惑星定義です。
 最初なので、簡単に説明すると
 「天体として十分な引力(重力、ひいては自分の質量)をもつことで球体の形状をなしえている」恒星でも衛星でもない、恒星に対する軌道をもつ天体。
 図解するとこうなる<惑星12個の太陽系>
惑星12個

 これが最初のIAUの惑星定義です。
 この定義では下図の天体も惑星候補になります(これは一部です)
新惑星候補12
<補足説明>12の候補のうち3つ以外はすべてECBOでメインベルト内ではほとんどの天体が球体とはとてもいえない形態であります。球体ということに関する問題は別項目で説明します。
 この定義にはいくつかの問題点がありました。
 1.ECBO内の天体の解明がまだ終わっておらず、現状でもこの定義に即した天体が50個近くあること
 2.定義にある球体とはどこまでの歪みは許容されるのか、明確な境界が存在しないこと
 3.惑星に近い質量をもち球体でありながらも恒星の軌道をもたない天体(惑星質量天体)の扱いが規定されないこと

 実はこれらの問題は基本的には最終案でも未解決なままなのです。その点も注意してください

3-3:新定義への抵抗と妥協点
 最初の定義に関してはかなりの反対があったようです。
 最終的には2つの草案になりました。これは図解を主にして説明します。
  草案その1

 最終的にはこれが定義になります。
 草案その2
 これがもうひとつの草案です。
 上の草案とのほとんど同じですが、「classical planet」という用語が使われ、8惑星を別枠として取り扱い、冥王星とその類似性ある天体をトランス・ネプチュニアン天体の「plutonian objects」と呼ぶこと、が追加されているのです。
 そして、一番の相違点では
 上の採用案は「冥王星を除く8つの天体だけを正式に惑星とし、冥王星を含む天体はそれに準ずる"dwarf planet"とする」
 下の草案は当初の「自己重力で丸くなっているものをすべて惑星とし、惑星を"classical"と"dwarf"の2つのカテゴリーに分ける」という提案をほぼ踏襲を考えられます。
 簡単にいえば「上の草案は惑星は8」、「下の草案は惑星12個以上」という衝突です。 

3-4:惑星の定義は
 結局は、上の草案が勝利しました。
国際天文学連合はここに、我々の太陽系に属する惑星およびその他の天体に対して、衛星を除き、以下の3つの明確な種別を定義する:
1. 太陽系の惑星(注1)とは、
(a)太陽の周りを回り、
(b)じゅうぶん大きな質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し、
(c)その軌道の近くでは他の天体を掃き散らしてしまいそれだけが際だって目立つようになった天体である。
2. 太陽系のdwarf planetとは、
(a)太陽の周りを回り、
(b)じゅうぶん大きな質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し(注2)、
(c)その軌道の近くで他の天体を掃き散らしていない天体であり、(d)衛星でない天体である。
3. 太陽の周りを公転する、衛星を除く、上記以外の他のすべての天体(注3)は、Small Solar System Bodiesと総称する。
注1: 8つの惑星とは、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つである。
注2: 基準ぎりぎりの所にある天体をdwarf planetとするか他の種別にするかを決めるIAUの手続きが、今後、制定されることになる。
注3: これらの天体は、小惑星、ほとんどのトランス・ネプチュニアン天体(訳注1)、彗星、他の小天体を含む。

冥王星についての決議
・国際天文学連合はさらに以下の決議をする:
冥王星は上記の定義によってdwarf planetであり、トランス・ネプチュニアン天体の新しい種族の典型例として認識する。

 ということに落ち着き、冥王星は、惑星ではなく「dwarf planet」となったわけです
 あれ?冥王星はdwarf planetということは、惑星じゃないですか?
 この決議文では「注1」という別項目を設けて「惑星」と8惑星を明記しており、dwarf planetは「惑星」ではありません。
よって、dwarf planetは惑星ではないということになるわけです。屁理屈の部類ですがそう決まったのです。(苦しいいいわけですね)
 このように決議でみんなで決めたわけです。
それに従う義務とかいいませんが、それが学会の認知ということです。
 
重要な指摘なのですが、
「この決議文における惑星の定義はあくまでも「太陽系の惑星」のお話です。」
 実は、太陽系外の惑星の定義はどこにか飛んでしまったのです。

3-5:今回の総括 
 今回のポイント
 .冥王星は「dwarf planet」
 .太陽系の惑星、水星から海王星までの既存の冥王星以外の惑星定義になり、冥王星は惑星ではなくなった
 .惑星の定義がいつの間にか「太陽系の惑星の定義」になった
 .dwarf planetはこれからもいっぱい見つかるかもしれない
 .セレスなどのメインベルト天体は、「dwarf planet」、「Small Solar System Bodies」に分かれることになる「小惑星」という用語は消滅する


 正直、スっとしませんが決定は決定で「悪法も法なり」ということで今回は終わりです。
 
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